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紫の瞳をしたラスボスは今日も怠惰を謳歌する

第10章 約束


 最後の言葉なんて聞きたくなかったから、首に思い切り振り下ろした俺の斧は、呆気なく紫のフェニックスの命を奪った。
 それはぐったりと倒れたが、次にはよく聞いていたエンドラを倒した後のような音が響き、バラバラと経験値が地面に散らばる。
 俺はその経験値をよく拾いもしないで予想通りに開通した出口に身を投じ、いつもの寝室で目が覚めた。
 ここで俺はいつもまた別の世界へとリセットをするが今日はせず、エンダーアイも無しに駆け出した。目指すはエンド要塞。俺が適当に置いたブロックを辿って目的地に着く頃には日も傾いていたが、眠気も気にせず地中へ潜った。
 いつもの水バケツ着地。足元が濡れるのも構わずエンド要塞に潜入して、誰かとエンドラ討伐する時にすっかり板についたエンドポータルへの道標を頼りに難なくあの入口へ。開通されたエンドポータルをよく見ない内に、俺はエンドへ飛び込んだ。
 急いだつもりだった。だが、そこに本当にタマゴがあるのかは分からなかった。もしかすると、俺がフェニックス討伐を躊躇わないように言ったぼんさんの嘘だったらどうしよう、と今更不安になってきて気付けば走ってエンドの島の中心へ向かっていた。
 周りにはやはりエンダーマンがいなかったが、その中心には見慣れないものが佇んでいて俺は息を飲んだ。
「ぼんさん……っ」
 それがぼんさんなのかどうかは分からなかった。分からないくらいには小さな黒い塊になっているものがそこにあった。エンドラのタマゴよりは一回り大きいものがそこに。
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