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紫の瞳をしたラスボスは今日も怠惰を謳歌する

第8章 一緒に


「ふふ、何よ? なんで俺から目を逸らすのよ」
 怒っているよりかはイタズラめいた言い方でぼんさんが俺の視線に合わせてきた。俺は顔に熱を感じて、これは認めざるを得ないと考えた。
「……好きに、なってしまいますから」
 するとぼんさんは俺の言葉を聞いてすぐにぱちくりと瞬きをし、それからゆっくりと首を引っ込めた。
 見上げると今度はぼんさんが俺から顔を逸らしていて、気まずそうに姿勢を正した。
「やっぱり? 俺もそう思ってたんだよね」
 と言葉を返して。
 えっ……?
 これは声にはならなかった。ただただ逸らし続けるぼんさんの顔を見つめ続けて、どういう意味なのか考えた。
 そう思っていたとは、どういうことなのか。俺の気持ちが見抜かれていたのか、それともぼんさんは、俺のことを……?
「あのさ」頭の整理がつく前に、ぼんさんが話を切り出した。「ここにエンドラがちゃんといて、倒したらここに出口が現れるのよね?」
 そう言ってぼんさんは岩盤で出来た未開通の出口を鉤爪で指した。急になんだろうと思いながら、俺は頷いた。
「そうですね」
「じゃあ、そうか……」
 そしてぼんさんは何か考える素振りをして、一人……否、一羽で何かに納得した。俺はよく分からずに次の言葉を待ったが、ぼんさんはのそりと動いて地面に置きっぱなしだった斧を拾い上げた。
「これで俺を倒したら、出口が開くんじゃない?」
「え……」
 衝撃的発言に、俺はしばらく言葉が出てこなかった……。
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