第1章 報われない(五条/夏油夢)
「私、夜蛾センに呼ばれてるから」
入江硝子はそう言うと屯していた共有スペースから立ち去ろうとする。
「あ、そういえばさくら」
「んー?」
私は携帯電話を弄りながら生返事をする。
「合コン、どうだったの?」
「「は???」」
五条悟と夏油傑の声が見事に被る。
そして先程まで雑誌を見て笑い転げていた二人は目を点にして私を見やる。
「え、ちょ、硝子!?それ今言う?!」
「じゃあね〜」
硝子は爆弾発言を土産に落とした。
気怠そうに手をひらひらと振りながらその場を立ち去って行った。
2つの視線がギラギラと、私の背中に突き刺さる。