第5章 アフターナイト
次に…、朱莉が目を醒ました時。
自分の視界に見えたのは、
あの…ナオトと共に
マスカレイドナイトを楽しんだ
あのプレイルームの天井では無くて。
どこだか…知らない部屋の…天井を。
革張りのソファの上に身体を預けて
朱莉は眺めていた。
「ん…っ、あれ…?
ここは…、私は…一体…」
段々とぼんやりとしていた意識が
しっかりとして来て。
ここは…マスカレイドナイトの…
事務所の中にあるソファの上だと
朱莉は気が付いた。
その事務所では…、
編集長の知り合いである
このマスカレイドナイトのオーナーが、
本日の売り上げの計算をしている隣で
私は…目を醒ましたわけなのだが…。
オーナーさんの話によると…、
私はナオトさんとの
ハプニング中に…気を失って。
そのまま盛大に、
寝落ちをしてしまってらしく。
あのまま…私を
プレイルームに放置する訳にも行かず。
この事務所に…、
彼の手で運び込まれたのだそうだ。
何とも…正気に戻ってしまえば…、
自分勝手に感じまくってしまって…
散々イキまくった挙句に、
気を失って…寝落ちしてしまうとか…。
ナオトさんには…
最初から最後まで…
迷惑を掛けまくってしまったと…。
正気に戻ってから、
恥ずかしくなってしまっても。
とっくの昔に午前2時の、
マスカレイドナイトの
営業時間は…終わってしまって居て。
もう…2時間もすれば…、
始発が動き出す時間になる。
このビルの中に、24時間営業の
漫画喫茶があるから。
そこで…少し休んで行くなら
優待券あるからと
オーナーさんが言ってくれて。
ここのソファで…もう少し…
ゆっくりしても良いよとは
声を掛けては貰ったのだが。