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マスカレイドナイト

第3章 舐められたい人専用の椅子



そう…つい…、大きな声で
叫ぶ様にして言ってしまって
朱莉はハッとした。

ハッとしてから、気が付いた。
言ってしまった後では、後の祭りだ。

私は…今…、
絶賛…、彼に大うけされて。

こっちは真剣に答えただけなのに、
何もそこまで笑わなくてもと…
笑うナオトさんを見ながら
私は思ったのだけど。

『あは…は…ッ、はぁ、はぁ…ッ…
すいません…、貴女があまりにも…
真剣に…可愛らしい事を…言う物だから…。
つい…、すいません…ッ、
…笑うつもりは無かったんですが…』

「そっ…、
そんなに…笑わなくても…ッ…。
それに…、えっちな事…その物が…
かなりご無沙汰と…言うか…、
久しぶりなのに…。イキナリ…
3人の男性の相手は…できませんよ…ッ」

『でしたら…、笑ってしまった
お詫びを…僕にさせて頂く…と言うのは?
貴女的には…ある感じですか?
3人の相手が難しいのであれば、
僕…1人であれば、それも…叶いますか?
もし、貴女のそのつもりが無いと
言って頂ければ、このまま
シャワールームまで貴女をお連れして。
貴女が無事にこの店の外まで出るのを
お見送り…させて貰いますが?
ここは…後腐れのない…一夜の夢を…
一緒に観る場所ですから…ね?
夢が儚く消えるのも…、また一興ですよ』


あくまでも…選ぶのは…、私。

この…非日常の場所で…の出会いを。

楽しむのも夢のままで、

このまま終わらせるのも…。

全部。


私…次第なのだと、

選択を委ねられてしまった。

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