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無職童貞の6つ子に狙われた女の話

第2章 破壊衝動【一松】



一松視点




「「「「はぁ!?!?ノアちゃんと付き合うことになったァァァ!?!?」」」」



「なぁにブラザーズ。そんなに驚くことでもないさ…この俺とノアちゃんが結ばれることは最初から決まっていたも同然、天命のデスティニーだからな!はっはー!」

「ちょ、ちょっとカラ松くん!公表するとは言ったけども…!」

「恥ずかしがることはないぞ… ノアちゃん、世界中が俺たちの愛を心待ちにしているからな」

突然カラ松が自室に呼び出したと思ったら、ノアちゃんも一緒に部屋にいた。ふんふんと上機嫌であぐらをかくカラ松の隣でノアちゃんは終始照れくさそうにちょこんと座っていた。
何が始まるのかと思っていたら、アイツはいつもの狂ったテンションでなんとノアちゃんとの交際宣言をした。

…ひそかに嫌な予感はしていた。

この頃ノアちゃんはアイツとばかり一緒に過ごしていたから。マジで癪な話だけど、ノアちゃんがカラ松のことを鬱陶しがってるとか、カラ松の方がしつこく絡んできてるだけとかそういう雰囲気ではなかった。
…カラ松の話題の時になると明らかに嬉しそうに目を輝かせていたから。


「ノアちゃん正気!?絶対こんなのよりかは俺の方が!」

おそ松兄さんも大概酷いでしょ

「ノアちゃん!考え直した方が!」

無理だよチョロ松兄さん

「うぉぉぉぉぉお悔しいデース!!!!」



「うぅ…カラ松に負けたの僕達…」

そうだよトド松

皆口々に『そいつだけはやめておけ』と言い始める。だけど、おれにはわかってしまう。
ノアちゃんは、きっと誰から何を言われようともカラ松を選ぶって。

「皆そんな反応しないで?確かにカラ松くんと付き合うことにはなったけど、皆との関係が無くなるわけじゃないからさ」

なんだよただの生殺しだろそれ。好きだった人に相手ができたこと。友達止まりの関係から一切進展できないってわかってしまうこと。それがどれだけ辛いか、ノアちゃんは全く分かってない。

おれはただ黙って体育座りでノアちゃんを見ていた。

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