• テキストサイズ

【名探偵コナン】ゼロの花嫁【短編】

第10章 【安室 透】聖夜の誓い





「おねーサン1人?さっきから座ってるけど・・・もしかしてドタキャンされたとか?」

「可愛いね〜!俺らと遊ぼーよ!カラオケ行かない!?」



お酒に酔っているのか、赤い顔で近寄ってきた若い男性2人組。

先程からチラチラと視線を感じていたけど、ついに話しかけられてしまった。


「待ち合わせしてるので失礼します」

「えー?来ないんじゃないの〜?」

「マジか!酷い男だね〜遊んで忘れよ!」



余計なお世話です。


他人に安室さんのことを悪く言われたくない。

無視をして勢いよく立ち上がり、その場から離れた。



「おねーサン、ちょっとだけでいいからさ〜?奢るし付き合ってよ!」

「クリスマスだしケーキでも食べよーぜ!」



何が悲しくてクリスマスに知らない男とケーキを食べなければならないのか。

安室さんと一緒に作って食べる予定だったのに・・・。


あれから一度も連絡を取っていない。


付き合ってから毎日連絡を取り合っていて・・・

私が一方的に怒っていても、いつも安室さんが謝って宥めてくれていた。


これはもう、終わったということだろうか・・・。



「ね〜?行こうよ!」

「・・・しつこい・・・ちょっ、触らないでください!」

「怒った顔も可愛い〜!もっとよく見せて〜」



掴まれた手首が痛い。

ギュッと強く握られているため、振り解くのは難しそうだ。

周囲の人は見て見ぬふりで助けを求める気にもなれなかった。





最悪のクリスマスだ。


クリスマス当日に会えなくても、安室さんと会えるならいつでも嬉しくて楽しくて・・・幸せなのに・・・。



なぜ、彼の仕事を理解してあげられなかったのだろう。

なぜ、自分の気持ちを優先してしまったのだろう。


悔やんでも悔やんでも、過ぎてしまったことはなかったことにできない。



気が付くと、一筋の涙が頬を伝っていた。


「っ・・・・・・あむろ、さんっ・・・」


呼んでも、泣いても、無駄なのはわかってる。

でもやっぱり・・・私は安室さんじゃないと・・・

安室さんがいてくれないと・・・やだよ・・・。




「えっ!?おねーサン泣いてるじゃん!」

「大丈夫?暖かいとこ連れてってあげるよ」
















「僕の大切な女性から離れていただけますか?」

/ 100ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp