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【名探偵コナン】ゼロの花嫁【短編】

第10章 【安室 透】聖夜の誓い




キラキラと輝くイルミネーションに

つい口ずさんでしまうリズミカルなBGM。


街はクリスマス一色に染まっていて。


周りを見渡せば

身を寄せて幸せそうに微笑むカップルで溢れかえっている。


本当だったら私も・・・

彼と楽しいクリスマスを過ごすはずだった。







----*----*----*----*


「え・・・クリスマス、会えないんですか?」

「すみません、探偵の仕事が入ってしまって・・・。
 デート、23日にしてもらっても良いですか?」



仕事なら仕方ない。

「私と仕事、どっちが大事なの!?」と駄々をこねるほど子どもではない、けど・・・

「大丈夫だよ、頑張ってね!」と笑顔で送り出せるほど大人でもない。


安室さんと付き合って初めてのクリスマス。

2ヶ月前からデートスポットやプレゼントをワクワクしながら考えていた。


約束していたのに仕事を入れるなんて・・・

彼にとって私と過ごすクリスマスは、そこまで重要な日ではないのかと醜い感情が芽生えてしまう。



それとも・・・仕事というのは口実で、他に好きな人がいる、とか・・・。





2日前、蘭ちゃんと梓さんの会話を聞いてしまった。


「さっき、安室さんと女の人が腕を組んで歩いてるのを見たんですけど・・・」

「私、昨日見ました!最近ポアロでも嬉しそうな顔をしてるし・・・。
安室さんに限ってまさか・・・ですよね?」



安室さんが浮気・・・?

まさか・・・だよ。そんなの。


みんなに優しくてアイドル並みに人気な彼。

たくさんの女性の中で私を選んでくれた。

それだけで嬉しかったのに・・・。


独り占めしたい。他の人に触れてほしくない。


独占欲が沸いているのに彼に本音を伝えられないでいる。

伝えて離れていってしまうのを恐れて・・・。






結局、23日のデートを断ってしまったのでしばらく会えなくなり。

つくづく自分は面倒な女だな・・・と溜息をついた。


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