第9章 【降谷 零】私のヒーロー
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夜の自由時間に班長とコンビニへ行くと
何やら騒ぎ声が聞こえる。
店の奥にはさんの友達と
他の客数名が手と口を拘束されて座っていた。
「!!んー!んーんーッ!!」
小声で助けを求める彼女から
さんが捕まったことを悟り
ドクンと心臓が鳴った。
さんはどこにいるんだ・・・
1人だけ連れて行かれたのか?
頼む、無事でいてくれ・・・!!
近くにいた犯人にスマホを回収され
僕と班長も手と口を拘束されてしまった。
「警備会社が信号を通過したらしい。
人質を移動させろ」
「ああ。
そういや、アイツらはどこ行った?」
「綺麗なお姉さんと遊ぶっつって
店長室に篭ってるぞ。ずりぃよなー」
!! さんのことだ。くそッ・・・。
どうすることもできず、僕たちは倉庫に
閉じ込められた。
まずは手を拘束されている結束バンドを
何とかしねぇと・・・。
班長とアイコンタクトを取りながら考える。
そうだ、靴紐を結束バンドに通して擦れる
摩擦で・・・。
「よく思いついたな、降谷!」
「降谷くん、ありがとう!
どうしよう!を助けなきゃ!!
犯人たちの狙いは何なの・・・」
「おそらくATMの現金補充の金だよ。
補充のタイミングは誰も知らないけど
防犯映像で大まかな収支をチェックすれば
予想はつく」
「しかし、何で奴らは顔を隠してないんだ?」
「事が済んだら人質を生かして帰すつもりは
ないのかもしれない。
さんも・・・・・・」
好きなように犯されて、そのまま・・・・・・。
そんなことさせない。
ドアの鍵は閉まってるいるので
倉庫内で使える物がないかを探してみる。
配電盤・・・・使えるかも。
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配電盤のスイッチでコンビニの看板の灯りを
モールス信号のように点滅させたところを
タイミング良く、ヒロたちが気付いて助けに
来てくれた。
倉庫から出て真っ先に向かったのは店長室。
勢いよくドアを開くと、下半身を露出した犯人が
#NAME2#さんを襲っている所だった────