第9章 【降谷 零】私のヒーロー
----*----*----*----*
それから座学や実技をこなし
いつものように慌ただしい1日を過ごした。
降谷くんに恋人はいないことを知れたので
辛い授業も頑張れた。
そして、消灯前の自由時間────
美波とコンビニに来ている。
「降谷くんも来てもらうから、も
絶対来なよ?協力するからさ!」
「んー・・・合コンかぁ・・・
飲み会とか得意じゃないんだよね」
「降谷くんフリーなんだからチャンスだよ!
お酒飲めば緊張和らぐかもしれないし!」
「そうねぇ・・・」
美波も萩原くんと仲良くなろうと
今度の合コンに意気込んでいるようだ。
「騒ぐんじゃねぇ」
「「!!」」
「ひゅ〜♪綺麗なお姉さんじゃん。
金が来るまで相手してもらおうかな?」
「ちょっ・・・離して!」
「!!」
最悪なことにライフルやバットを持った
男たちが侵入してきて、私と美波は
別々に捕まってしまった。
----*----*----*----*
連れ込まれた個室には店員・・・
この男も仲間のようだ。
ニヤニヤと気持ち悪い顔で私を見ている。
両手は後ろで縛られ、口にはガムテープ。
ここをどうやって切り抜けようか・・・。
「マジで綺麗だな〜!スタイルもいいし・・・
俺のタイプだわー」
「オレだってタイプだけどよ・・・
しょうがねぇ、1番は譲ってやるよ!」
「っしゃ!!さんきゅー!んじゃ早速・・・
大人しくしててねーお姉さん・・・」
首元でスンスンと匂いを嗅がれながら
胸を強く掴まれる。
興奮しているようで鼻息が荒い。
Tシャツの裾から手が入ってきたと思ったら
胸上まで捲られ肌が空気に触れて冷んやりした。
「うおーでけぇ・・・!
超いい匂いだし、堪んねぇな・・・」
「おい、早くしてくれよ。
そろそろ車が来ちまうよ!」
「うっせぇな。ゆっくり味わわせてくれ。
はあ・・・顔も身体も綺麗なのに下着が地味だな」
・・・悪かったわね。
警察学校でセクシーな下着なんか
つけてられないんだから仕方ないじゃない。
嫌悪感や恐怖を抱きつつも、勝手に脱がせて
勝手に文句を言う犯人に腹が立ち、心の中で
ツッコミを入れた。