第6章 【安室 透】秘密の時間
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「、大丈夫?顔赤いよ?」
「大丈夫!走ってきただけだから!!」
教室に戻り美波たちに色々聞かれたが、ボロが出ないように何とかごまかした。
本鈴が鳴ってすぐに安室先生が教室に入ってきた。
私とは対照的で余裕のある涼しい顔をしている。
大人ってずるい・・・。
平常心を保つために先生を視界に入れないよう、視線は教科書とノート、黒板だけを往復した。
「では、66ページの問題を解いてみてください」
・・・・・・あぁ、集中できない。
先生の声を聞くと、さっきのキスを思い出してしまう。
唇を合わせるだけのキスだったけど、初めてした時と同じくらいドキドキした。
先生が嫉妬してくれたのも嬉しかったな。
家だったら最後までできたのに。
本当はもっと、もっと触れてほしかったよ。
教科書を見ながら指で唇をなぞる。
「なぁ。・・・おーい!!」
「・・・えっ!?あ・・・ご、ごめん、水嶋くん・・・・・・何?」
「あーー・・・・・・いや・・・。問3、できてたら教えてほしーんだけど・・・」
「問・・・・・・まだ、やってない・・・ごめんね」
やばい。
普段先生の授業でも、こんなに集中できないことはないのに・・・頭がぼーっとする。
「ねぇ、顔色良くないよ?保健室行く?」
「ううん!ありがと蘭。大丈夫・・・」
「、やっぱ具合悪ぃの?オレ一緒に・・・
「毛利さん、さんを保健室までお願いできますか?」
「え?あ、はい!行こう、」
安室先生の一言で、蘭に保健室へ連れてってもらうことになった。
水嶋くんも声掛けてくれたのに申し訳ないな。
あの様子だと、先生はまだ怒っているのかもしれない。
とりあえず教室を出て、先生の顔を見ずに済んだから落ち着きそうだ。
「・・・安室先生と何かあったの?呼び出されてからおかしくない?」
「全然!先生は・・・関係ないよ」
これが先生じゃなかったら・・・相手が同じ生徒だったら、蘭にもみんなにも本当のことが言えるのに。
大好きな人がいるのに誰にも言えないことが辛いよ。