第4章 【安室 透】看病
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次に目を覚ました時には既に外は真っ暗。
寝過ぎてしまったけど、熱くて怠かった身体はだいぶ軽くなった。
透さんは、まだいるだろうか・・・と、部屋を見渡す。
「!!透さん・・・いてくれたんですね・・・」
「もちろん。が寝てる間に帰らないよ・・・。気分はどう?」
「ん・・・良くなったかな」
梳かすように髪を撫でられるのが気持ち良くて、うとうとしていた瞼がまた落ちそうだ。
ぼーっとしている間に先程と同じようにパジャマのボタンを外され、体温計を脇に入れる透さん。
率先して何でもやってくれる彼に頭が上がらない。
「37度。だいぶ下がったな。食べたい物あるか?」
「ううん・・・お水、ありますか?」
「あるよ。ゆっくり起き上がって、はい」
背中を支えてもらいながら上体を起こし、コクコクと冷たい水で喉を潤す。
透さんがいてくれて本当によかった。
こまめに連絡をとってくれると言っても、やはり会えない日は寂しいし、特にこういう時は気分が下がる。
自ら連絡するのはまだ遠慮気味なため、探偵事務所で会わなかったら熱が出たことも報告しなかっただろう。
彼はこういう私を見て、"頼ってほしい"、"甘えてほしい"と言ってくれるんだよね。
常に忙しそうにしているから、迷惑をかけたくなくて遠慮してしまうのだ。
「、落ち着いた?」
「うん!ありがとうございます!もう大丈夫ですよ!」
「よかった。、突然なんだけど・・・お願いがあるんだ」
「え・・・どうしたんですか?私にできることなら何でも言ってください」
透さんからの改まったお願いには検討もつかず、何を言われるのかと緊張で息をするのも忘れてしまう。
彼は私と目線を合わせ、じっと見つめてから口を開いた。
「僕と、一緒に暮らしてほしい」
「・・・・・・え?一緒、に?」
「僕の帰る場所になってほしい。、一緒に住もう」
何それ?プロポーズみたいじゃない?
違うのはわかってるけど・・・透さんの帰る場所に私を選んでくれたことがすごく嬉しくて目頭が熱くなる。
人前で泣けない私に涙を流させるのは、透さんだけだ。