第6章 機械祈願神社
そして、さらに次の日を迎えた。
守護霊のいないメンさんのことは気掛かりだったが、この日は他のメンバーには別の予定があると聞いていたのでいきなり神社に行こうと誘うことは出来ず、私は待ち合わせ場所でおんりーさんを待つことにした。
「あ」
早めに来てしまったと思っていたのだが、おんりーさんは既に待っている状況だった。まさか遅刻だったのではと走り出すと、気をつけて、とおんりーさんに言われてハッと足を止めた。
そこには、水たまりがあったのだ。
そういえば昨日は雨が降っていた。待ち合わせ場所は丁度建物の影にもなっていたので、乾くのが遅かったらしい。
「助かりました、声を掛けてくれて」
「いえ。水たまりがあるから踏んだら大変だろうなって気にしていたんです」
近付いてまずは感謝を述べると、淡々としたおんりーさんの言葉が返ってくる。なるほど、この細かなところに気付く点は、やはりモテる秘訣なのかもしれない。
「じゃあ行きましょうか」
私は向かう先を指してそう切り出した。おんりーさんははいと頷き、神社までの道を歩き始めた。