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あの方々の守護霊は2[dzl]

第6章 機械祈願神社


「機械祈願の神社があるなんて初めて知りました」
 と話したのはおんりーさんからだった。あの時は適当に言っただけだったのだが、調べてみると本当に機械祈願をする神社があって驚いたのは私も同じだ。
「私も最初は知らなかったんです。元々は、雷の神様が祀ってあるみたいで」
 それからは神社の話へと移り、おんりーさんの周りにいる数々の生き霊たちに気が向かなくて助かったのだが、ようやく神社の鳥居前に来た時に、一人のその生き霊がこちらに手を伸ばしてきて思わず悲鳴を上げてしまった。
「どうしたんです?」
「あ、いえ、その……」私は言い訳を探した。「こういう神聖な場所に来ると、余計視えるようになって……ちょっとびっくりしました」
「そうですか」
 おんりーさんの鋭そうな目がちらりと私に向けられてから逸れる。なんとなくこちらの嘘に気付いていそうだが、根掘り葉掘り聞いてくるタイプでもなさそうなので気を遣わせたのかもしれない。
「けど、悪い霊ではないとは思うんですよね。私がそう思うだけかもしれないんですけど」
 と私が付け足した瞬間、こちらに向かって手を伸ばしてきた生き霊の一人が、ふわりと消えた。
 そのことに私はまた驚き、何度も瞬きをしてしまったが、おんりーさんは気付く様子なく神社の階段を上がり、どうしましたかと振り向いた。
「すみません、今行きます」
 私も階段を上がった。
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