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あの方々の守護霊は2[dzl]

第5章 メンさんの守護霊


 そうして私は、低いテーブルに弁当箱を置くと、気配り上手なメンさんがここは別の部屋に行きましょうかと言ってきたのだが、それより白蛇の守護霊が消えたことが気掛かりでちょっと待って下さいと引き止めたので、三人で雑談することとなったのだ。
「あの、メンさんの守護霊さんが……」
「え」
 言いかけて、口を噤んでしまう。この話、しても大丈夫だろうか? 私が視えることに関してはこんなにも受け入れてくれているからついつい話してしまいそうになるが、守護霊がいないと言ってしまえば、不安を与えてしまうだけかもしれないと考えた。
「もしかして、さっき蛇の話していたから嫌われたんじゃないの」
 さらっと鋭いことを言い出したのはぼんじゅうるさんだ。そうです、と私が頷くか悩んでいる間もなく、メンさんはえ”っとすごい声を出した。
「ってことは、次は俺になんか悪いことあります?」
「なんで俺に聞くのよ」
 そうしてメンさんの視線はぼんじゅうるさんから私へと遠慮深そうに向けられてきた。私はさらに戸惑った。
「えーっと……」
「大丈夫大丈夫。メンいつも鬼畜やってるから、守護霊くらいいなくてもラッキーマンでしょ」
 私がはっきりと答えない理由を察したか、ぼんじゅうるさんがなんの根拠もないことを言い出した。
 確かに、少ししか見ていないが動画内のメンさんはよく幸運に恵まれている。その幸運が守護霊のおかげだったのかは分からないが、ラッキーマンであることは私も知ってはいた。
「……でも、メンさんの守護霊さんは消えたり現れたりしますから、きっとすぐ戻って来ますよ」
 励ましの言葉にもならないようなことを言うしかなかった私は、そうして守護霊のいなくなったメンさんの背中を見送ることしか出来なかった。
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