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あの方々の守護霊は2[dzl]

第13章 白蛇のため息


「じゃあ、どうして私のところに憑いたのですか……?」
 と私がさらに訊ねると、待ってましたと白蛇さんが人ならぬ舌をチラつかせてゆっくりと話し出した。
「それはオヌシがワシをよく見るからだ」
「は、はぁ……」
 そりゃあ見るでしょうが、と言いたくなる気持ちをグッと堪えて曖昧な返事をする。それすら面白いのか、白蛇さんはますますシャラシャラ笑った。
「だが、ワシがいたことで偶然にも幸運に恵まれただろう?」と白蛇さんがぐっと顔を寄せてきた。「オヌシが最後に寄った菓子屋のケーキ、店員が間違えてもう一個ケーキを入れたみたいだしな」
「え」
 私は急いでケーキを確認しに行く。確かに、私が選んだショートケーキの他に、チョコケーキが入っていた。値段は一つ分しか払っていないのに。
「返してこなきゃ……」
「よいよい。オヌシの後に来た客が、気分いいからと多めに払って行ったのだからな」
「で、でも……」
「心配性なやつだな。だからオヌシに憑いてもいいと思ったのだが」白蛇は言葉を続けた。「しかし、今更生菓子を返却することも出来まい。捨てるしかないかもな」
「そ、それは……」
 勿体ない気がする。よく見なかった私も悪いけど、ケーキを返却するくらいならお金で払った方がいいだろう。
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