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あの方々の守護霊は2[dzl]

第11章 スタッフさんの守護霊


「分からないんですけど……今度どこかで会って確認するくらいしか……」
 と言ってから、周りの視線があることを思い出した。MENさんから繋がっていると言われ、私がこう話し出してる時点で怪しいのである。私は別の言葉を考えた。
「そのことにつきましては上司に確認します……はい、はい、お大事にして下さいませ、失礼します〜」
 無理矢理話を終わらせ、私はガチャリと受話器を下ろした。ごめん、MENさんと心の中で謝りながらホッと一息つこうとした時、同僚の女が近付いてきて話をこう振ってきた。
「何なに〜? MENさんからデートのお誘い〜? それとも誘っちゃった?」
「そんなんじゃないですよ……」
 はぁとため息をつく。この同僚の女に憑いている守護霊も、ふくよかな女性でいかにもって感じである。守護霊は取り憑く相手によく似ているのかもしれない。
「自分の代わりに機械の点検を頼んだだけだ」
 そこに助け舟を出してくれたのは、先程私に電話に出るように言ったMENさん担当のメカニック社員、おんさんだ。機械にめっぽう強く気遣い上手な人で丁寧な仕事人なのだが、どこか冷ややかな態度で周りから一目置かれている人物だった。
「そうでしたか〜」
 同僚の女はそう言い残し、私に意味深な目を向けて立ち去った。私はすぐにおんさんに礼を述べた。
「ありがとうございます、助けてくれて」
「いえ」
 そう言って自分の仕事場に戻って行くおんさんの周りには、いつ目を凝らしても守護霊は憑いてはいない。まぁ、守護霊は憑いていない人の方が多いのだが、私が普通に喋れる人なのでいてくれるだけでありがたい。守護霊に気が取られなくて済む。
 とはいえ、私がわざわざ守護霊がいなくなったなんて言わなければ、MENさんも気にして体調なんて崩さなかったのかも、と考えると後悔が立ってしまう。MENさんにも何かお守りを持って行かなきゃと視線を落とした時、一瞬白い影が見えた気がして不思議に思った。
「……?」
 いや、まさか、ね?
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