第8章 瓦解(がかい)※
初めはゆっくり出し入れしてたけど、だんだんと私のナカが甚爾さんの形に馴染んできたからか、一定のリズムで腰を打ちつけ始める甚爾さん。
眉根を寄せて耐えるような表情をしてるのが色っぽくて胸がきゅうっとしてしまう。
「とぉじさん、気持ちいい…?」
「あぁすっげーイイ…我慢しないと今にでもイッちまいそうなくらいイイよ…」
「嬉しい…とぉじさんもいっぱいイッてください…」
「だからあんま煽んなって…これでもオマエに無理しないように気つかってんだから」
「あっ、そこだめぇ!」
甚爾さんの逞しい体が覆い被さってきて頭の横に両腕をつかれると〝もう逃げられない〟って本能で感じて、怖いって言う感情と自分の体が自分のものじゃなくなるような〝甚爾さんに支配されてる〟感覚に暗い悦びの感情が湧いてくる。
私のお腹を持ち上げて抽送のスピードを上げる甚爾さんのが気持ちいいところに当たって、またあの感覚が呼び出されていく。
「ぁっ…ぁっ…とぉじさん、そこ…っ」
「オマエが潮噴いちゃうくらい気持ちよくなるとこ。いっぱい突いてやる」
「ダメぇ…へんになっちゃう…ぁっ…あ」
お腹の内側と外側から気持ちいいところを刺激されると、苦しいのよりも気持ちいい方が強くなってきて、意識が全部そこに集中しちゃう。
「はぁ…すげー締まるっ…繭、繭…っ」
息を荒くした甚爾さんが苦しそうな顔で腰を打ちつけてくる。
こんな余裕のない顔した甚爾さん見たことなくて…それだけ私を欲しがってくれてると思うとさらに快感が増していく。
部屋の中にはお互いの荒い呼吸と肌のぶつかる乾いた音、繋がったところからするいやらしい水音だけが響く。
私の中を激しく出入りする甚爾さんを受け止めるのに必死で、気を緩めるとあまりの激しさに意識を手放してしまいそう。
「繭…」
ぎゅっと強くシーツを握り込んでいた両手を解かれて、甚爾さんが上から手を握ってくれる。
上から私を見下ろす甚爾さんの翠色の瞳がすごく綺麗で…こんな時にも関わらず見惚れてしまう。