第8章 瓦解(がかい)※
「オマエには一生敵わない」
俯いたままの甚爾さんから聞こえた言葉。
どういう意味か、すぐに理解ができなかった。
「どこにも行くな繭、オマエを愛してる」
縋るような傷ついた子どもの瞳。
そんな顔されたら、もうこの手を離すことが出来なくなる。
お互いを見つめ合ったまま甚爾さんの顔がゆっくりと近づいて来て、唇が重なった。
甚爾さんの薄くてきれいな形の唇が好き。
唇だけじゃなく、ほっぺにもおでこにも瞼の上にも優しくキスしてくれる甚爾さん。
キスされた時に触れる肌で感じる、甚爾さんの引き攣った傷跡の感触も愛おしい。
甚爾さんの唇が私の全身に口付けていく。
それこそ、触れてないところがないんじゃないかったくらい隈なくキスされて、あちこちに赤い華が咲いた。
「とーじさん…」
「オマエはオレのって証。消えたらまたつけてやるから。誰にも触らせるなよ」
「はい…」
優しいキスの後は、また私の其処がとろとろになるまでいっぱい舐められて、私の体が甚爾さんを受け入れられるようにゆっくり準備を整えてくれた。
さっきみたいにまた甚爾さんの指が一本つぷっと秘密の入り口に入っていく。
慣れない異物感に思わず体に力が入ってしまうけど、甚爾さんの指と舌が気持ちいいところを触っていてくれるからそっちに意識を集中する。
胸の飾りを舌で弾かれて入り口の上の尖りを指で優しく撫でられると、またすぐに気持ちよくなって、私の中をちゅぷちゅぷと出入りする甚爾さんの指を締め付けながら達してしまった。
「はあ…はあ…とぉじさん…」
「ん、きもちーな?…苦しいかもしれないけど、もう一本指増やすぞ」
「ん…」
頭を撫で撫でして汗の滲む額にちゅっと口付けてくれる甚爾さん。
まだヒクヒクしてる其処に指が2本入っていこうとするけど、体の中が押し広げられる感覚がしてちょっと怖い…。