第1章 禪院直哉の婚約者※

ズリっーーグッ！




「っはっ… なな…。」




直哉の体がブルッと震えて下半身のモノをグッと押し付けられた。




「………………。」




ぎゅっと直哉が抱きしめる腕が震えて、お尻に当たっていたモノがビクビク跳ねているのが分かった。




ななはその感触をただ、じっと耐えているしか出来なかった。




「…はぁ…はぁ…はぁ……… なな…。」




目元で直哉の熱い声が聞こてる。

ななはゆっくり目を開けた。




直哉がななの顎を掴んで、自分の方に顔を向けさせる。

少しキツイ体勢に、ななは顔を歪めた。




とうとうキスより先に進んでしまった関係に困惑の色を隠さなかった。




「…… なな…俺の可愛いなな…。」




直哉はいつもの様にななを抱き締めて呟く。

「好きやで…。」

ずっと昔から。




「直哉くん…。」




彼の巻かれている腕をぎゅっと握った。




直哉の腕に抱かれながら、ななは直哉とこうなった経緯を思い返す。