【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第20章 エピローグ
「ななー。ななちゃーん。」
ドンドン蔵のドアを叩いて、直哉はななの名前を呼び続けた。
何度名前を呼んでも、なながドアを開ける事は無い。
そのうち、少し離れた母屋の廊下にポツリポツリと禪院家の人間が集まってくる。
「…直哉さん、何してんだ?」
「馬鹿!ジッと見るな!!」
まだ禪院家に来たばかりの若い子が直哉の奇行に眉を顰めて聞くと、先輩にバシッと背中を叩かれる。
しばらくして、ギィッと重たいドアが開くと、ななが直哉を睨みながら出てきた。
ななの傷だらけの顔を見て、びっくりする後輩をもう一度殴った。
「ええ尻があるな思たら、勝手に手が動いてたんや。ごめんちゃい。」
他の女の尻を触って、全然謝っていない直哉に、ななは一瞬でスンとなる。
バタン。
「ああー!なな閉めんといてー!!」
また締め出された直哉に、唖然とする後輩が再び声を出す。