【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第19章 私の直哉くん※
「…着替えんとええで…。」
そう言って直哉は珍しく小春に手を伸ばしてその身体をぎゅっと抱いた。
そしてまた、小春の肌に手を滑らせて大きく息を吸った。
「……小春ちゃんは変わらんといてな…。
あないなったら、俺もう触らへんで……。」
それがななの事を言っているとすぐ分かる。
ななを突き放して、自ら触れる事なんて到底無理なのに、埋められない穴がぽっかりと空いたままだ。
俺に罵倒されて泣いとったか?
直哉は最後に会った時のななの顔を覚えていない。
その顔をちゃんと見ていなかったから。
湧き上がる罪悪感はあるのに、到底あのななを受け入れる事は出来ない。
頭がおかしくなりそうや……。
ななは俺とおって、幸せだっんやろか…。
中学になったらすぐに蔵に閉じ込めて、ななの行動を制限して、無理矢理自分の側に置いた。
ななから愛が返ってくる頃には違う女に目移りして。
最後はゴミの様に捨てた。