【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第19章 私の直哉くん※
「……頭もおかしなったんか?」
笑ったななを見て、直哉が目を顰めた。
そのななを見下ろして、直哉もまた目を細めた。
グッとななの洋服の襟を掴むと、そのまま破いた。
ボタンがはち切れる音と、服で締まった首にななは顔を歪めた。
現れたななの背中を見て、直哉は乾いた息を吐いた。
「よう悟くんはこんな身体抱けるなぁ。」
馬鹿にした様な直哉の言葉に、ななは眉間に皺を寄せる。
「顔隠しとったらいけるんか?試してみるか?なな。」
随分と屈辱的な言葉に、ななはおかしくなった。
そう強がって言っていたって、その手はななの身体に触れない様に服をしっかり握っている。
ああ……なんだ………。
この人も呪われたままか……。
この部屋は誰の為のモノでもなくて、ななの為のモノなのだろう。
この人の時間も止まったままだ。
そう分かったら、自分も呪いの言葉を吐きたくなった。