【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第18章 始まりと終わり※
そう言って悟はななの目の横の傷を親指でなぞった。
触れれば絶対に傷跡に当たる位に、ななの顔からつま先まで無数の傷跡があった。
(こんなの直哉くんは絶対に受け入れないだろうな。)
ななのその姿を見て、悟は目を細める。
そんなの本人が1番分かっているだろうに。
馬鹿な子だ…。
自分を極限まで傷付けなければ、直哉くんの呪いを解く事が出来ないなんて。
悟はそのままななを抱き締めて、ななの首元に顔を近づけた。
もうあの時の様に、ななに愛情を持っているかなんて分からないけど。
傷だらけになったななを見ても、『何も』気持ちは変わらなかった。
どんな姿になっても、ななを最後に手に入れるのは自分だと。
良かった…。
せめてそんな感情ぐらいは残っていた様だ。
直哉くんに更に傷付けられて戻ってきた時には、やっと俺だけのななになる。
悟はそんな気持ちでななを見送った。