【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第15章 新しい感情※
「なな…。」
直哉が優しい声で唇でななの頬に触れる。
「ななが嫌やったら、小春ちゃん追い出すから。」
涙で顔に張り付いている髪の毛をかき分けて、顔が見えたらまたキスをする。
薄っすらと目を開けると、直哉と目が合った。
「ななが不安にならへん様に、ずっと側におるから。」
縋る様に唇を何度も付けてきて、ぎゅっとななを抱き締める。
「だから離れるやら、もう言わんといて…。」
ゆっくりと押し倒されて、固い畳の感触が背中にした。
直哉の着物を掴みながら、触れられる唇と手の感触に目を閉じた。
こんな甘い囁きも、体の触れ合いも、なんの解決にもならないと知っている。
いくら慰められても、離れた気持ちが戻る事なんて無いと分かっているのに。
「……直哉くん……。」
一生懸命にななを抱き締めて、不安そうにキスを繰り返す直哉に目を細めた。