【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第14章 潰れる心※
「直哉くんの誕生日ね…。」
悟はつまらなそうにベットに寝っ転がって呟いた。
ななが久しぶりに禪院家に行く口実が出来た。
勿論、禪院家には歓迎されないのは分かっているが、直哉直々のお達しだ。
連絡を受けてななも勿論、顔を歪ませた。
断るにしてはその後の父親の処遇が気になって無視出来ない。
行きたいはずが無い。
行けば見たく無い現実を見せつけられるからだ。
直哉の横に居るのは、もう自分では無い。
それをハッキリと目視するのに、まだ過ぎた時間が短過ぎる。
きっとそんな光景を目にしたら、胸が毟られる様な気持ちになると分かっている。
行きたく無いと、自分の気持ちはしっかり分かっているのに、行かなければいけない現状に眩暈がした。
「俺が一緒に行ってやろうか?」
「……辞めてよ…。」
悟を連れて行って、またあの惨状が再び起こることもごめん被りたい。