【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第2章 直哉との3年間※
初めて直哉の唇が体に触れた。
今まで肩や腰に直哉の手が触れる事はあっても、こうして顔を近づけられたのは初めてだった。
ななは驚いた様に目を見開いた。
唇が離れて、直哉の顔が目に入った。
直哉は嬉しそうに顔を赤らめながら微笑んでいた。
「…なな…。」
直哉が囁く様に抱き締める。
ななは直哉に困惑したまま、彼に抱かれていた。
なんで……。
「…なんで…部活ダメなの?…」
「ななには必要あらへんさかい。」
「……なんで?……。」
「…………………。」
顔を離して見下げたななの顔は、眉間に皺を寄せていた。
理解出来ない直哉の行動を、自分で処理出来ない様だ。
「俺と結婚するんやさかい、学校生活は必要あらへん。」
ソレより禪院家で生きる術を学んだ方がよっぽど重要だ。
その事はゆっくりとななに説明していこうと思っていた。
そんな理由はななには分からない。
昔から直哉はダメしか言わない。
直哉の言う通りに京都まで来たと言うのに…。