【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第13章 夏の日
「おお、一年何食べてんの?」
「素麺です。」
ズズっとテーブルを囲って、七海と灰原と一緒にななは素麺を啜っていた。
この2人と食事をすると、いつもパンかお米かで分かれるので、大抵はななの希望の麺類になる。
「俺の分もある?」
悟がそう聞くと、ななはスッと箸で台所を指した。
自分で作れと言っているのだ。
「…別にいいけど……俺自分で何でも出来るし。」
不貞腐れた悟は、それでも自分から台所に立ち、お湯を沸騰させる。
「傑と硝子も食うだろ!?」
悟が叫ぶと、食堂に傑と硝子も入ってくる。
何でも無い、高専の日常の光景だった。
あの日からななの生活はずっとこんな感じだった。
七海と灰原と訓練したり仕事に行ったりするのは楽しかった。
たまにこうして2年も交えて談笑したりする。
笑顔は自然に出るけど、ふとした瞬間に、気持ちがスッと落ちる瞬間があった。