【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第11章 五条悟④※
なのに、こうして自他共に認めてられている婚約者の小春の方が、ななの変わりに罰せられている。
次期当主の心を掴めないと言うだけで。
いつまでも報われないその想いに、自分の矜恃だけが心の拠り所の小春に。
ただ同情しただけの夜だった。
「あんたは俺の1番になれないで。」
「……それでも……。」
あなたの婚約者は、私1人です。
小春の腕が直哉の首に回った。
直哉はその腕を振り払う事はしないで、近づいてくる小春の顔に目を瞑った。
柔らかい唇が、直哉の唇に触れる。
それを皮切りに、抱きしめたのは、小春からか直哉からかはわからなかった。
多分同時に、その体を抱きしめた。
舌が絡んできて、目の前の小春の顔に、直哉はゆっくり目を瞑った。
明日にはなながここに来る。
勘のいいななは小春との関係に気付くかもしれない。
「…はぁ…直哉さん……好きです…。」