【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第11章 五条悟④※
ななが疑いから不安になっている間も。
直哉は機嫌が良かった。
禪院家の誰もが見て分かるくらいに、ご機嫌な直哉を常に見かける。
やっとななと繋がった気持ちの高揚が、ずっと続いている様だ。
「……直哉さん、どうしたのでしょう…。」
ななを思い出して、よくニヤけている直哉を見る度に、禪院家の人間はゾクリと悪寒が走る。
特にななが禪院家を出て行ってからは、機嫌が悪かったので、そのギャップが激しかったのだ。
(今日もななの所に行こか。)
早く夜になればいい。
そんな直哉の元に、ななを監視させている者から連絡が入る。
ななが正式に、高専で活動し始めたという情報だ。
途端にニヤけていた顔が、サーっと真顔になった。
(…悟くんか…。)
悟の推薦を、ずっと邪魔していたのは直哉だった。
悟もまた、そこで揉める事をしようとしなかったので、今までは悟の個人レッスンになっていた。