【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第11章 五条悟④※
昨夜、直哉は久しぶりに名残惜しそうに帰って行った。
朝起きて、1人で寝ているベットから体を起こして、ななは目を細めた。
動かしている体が自分のモノじゃないような気がした。
直哉と触れ合っていた時は、あんなに満たされていたのに。
1人になった今、虚しさが波のように襲ってきた。
理由は分かっていた。
何も解決していないからだ。
ななは今でも禪院家に居る女の子達を思い浮かべると、ギュッとシーツを握った。
「おはよー……あれ?もしかして…。」
朝一番に悟が寮に来て、顔を洗っているななに近付いてきた。
ズイッと顔を覗き込まれて、ななは思わず後退りした。
「直哉くんと一線超えた?」
ニヤッと確かめるように悟が笑って聞いてきた。
そのまま不快な質問に、ななの眉間に皺が寄った。