【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第9章 私の知ってる直哉くん②※
直哉はパッとななの顔から手を滑らせて、唇に触れた。
「俺はこうなるって、分かっとったけどなぁ。」
直哉が目を細めるのを見て、ななも同じ様に顔を歪める。
「…何が?…」
「ななにすぐに虫がたかるって…。」
「…私は別に…。」
それで目を逸らしたななに、直哉の顔がグッと歪んだ。
「悟くんとキスしたんか?」
していないー。
とは否定出来ない。
「…望んでしたわけじゃ無いよ。」
はぁと直哉の大きなため息ぐ聞こえた。
自分は…それ以上の事をしているじゃ無いか。
そんな気持ちもあるのに、何故か自身の罪悪感も拭え無かった。
裏切ったのは同じだと言うのだろうか。
少なくとも直哉は自ら望んでしたのだらう。
「直哉くんと私とは違う。」
ななの言葉を聞いて、ハッと笑った。