【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第8章 私の知ってる直哉くん※
「なな、ちょいちょい来るからな。」
「うん…分かった。」
直哉は悟をギロッと睨んで、悟を押し出す様に一緒に部屋を出て行く。
ポツリとななだけが部屋の中に残された。
ななはしばらくボーッとしていて、やっと息を吐いてベットに座った。
………怖かった……。
あんな直哉くんは初めてだ。
ななは両手で顔を隠した。
何故昔は直哉が怖かったのか、思い出を呼び起こす。
最初は直毘人と同じ目をした直哉が、幼いながら怖かった。
たまに見せる冷たい目に、喉がひゅっと鳴るのは当たり前だった。
でもいつからか、直哉がななの前ではそんな目を見せずに、いつも笑顔を見せてくれた。
たまに感じる負の感情もあったが、すぐに直哉は笑顔を向けてくれた。
分かっていた……。
直哉のあの笑顔はななの為に作ったモノだと。