【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第7章 五条悟③※
悟の言葉に直哉はハッとしてななを見る。
腕の中には直哉の怒号に震えて青い顔をしているななが居た。
長年付き合っているが、ここまで震えているななは初めてだ。
ななの前ではどんな怒りでも抑えていた。
こうしてななが自分を怖がらない様に。
ななにこんな自分の姿を見せさせた、悟に怒りが再度湧いた。
ギリっと奥歯を噛むが、その直哉の表情にななはもう卒倒しそうだ。
あかん。ななの前では怒られへん…。
ニヤニヤ笑っている悟が恨めしくて、直哉はギッと悟を睨んだ。
「……… なな…大丈夫だったか?」
直哉は大きく深呼吸して、なるべく優しく声を掛けた。
スーッとななが直哉から顔を逸らした。
「………うん…大丈夫だよ……。」
声がちっさ!
絶対に直哉と目を合わせようとしないで、無理に笑顔を作って俯いているななに、直哉の胸がギリっと痛んだ。