【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第6章 禪院直哉※
そこを執拗に撫でると、ななの手が離れた。
「…なな、ちゃんと扱いて…。」
舌打ちを出そうなのを、かろうじて止めた。
いつもより低い直哉の声に、ななの目からじわっと涙が出た。
「直哉くん…。」
無理だと言葉にすれば良いのだろうか。
嫌なことはしないと言う直哉。
でもこの行為に関しては、いつも自分の情欲を優先する。
それが分かっているから、言いたい言葉が出てこない。
それが涙になって流れるだけだ。
ポロポロと涙が流れるななを見て、直哉の手が止まる。
この位耐えてくれない憤りに、苛々しても、ななの泣いている顔を見たら、手を止めてしまう。
「泣かんといてや…。」
なな以外だっら、絶対にしばきたくなる状況だ。
それでも泣いているななを見たら、手を止めてしまう。
何がいけないのだろう。
好きだからその体に触れたいだけだ。