十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第6章 6
潤さんとの関係は、僕が思っていたよりもうんと順調で…
潤さんに少しづつ惹かれていってるのが、自分でも分かった。
だって潤さん、優し過ぎるんだもん。
潤さんは、僕が会いたいと言えば、仕事をほっぽり出してでも会ってくれたし、たとえ僕が望まなくても、僕が欲しいと思った物は全て与えてくれた。
僕の仕事が終わる時間には、よっぽどのことがない限り迎えに来てくれたし、僕にだけじゃない、母ちゃんにも良くしてくれて…
贅沢なくらい、潤さんは僕に尽くしてくれる。
勿論、それが負担に感じる時だってあるけど、そういう時は何も言わなくても、少しだけ僕との距離をとってくれたりして…
潤さんは、何もかも完璧だった。
だから僕も潤さんにちゃんと応えなきゃって…
ただ、僕にはその方法が分からなくて、でも誰かに聞くことも出来ずにいた。
そんな時、潤さんが珍しく僕をドラァグクイーン仲間の集まりに誘ってくれた。
当然だけど、僕はそういった人達に会うのも、集まりに参加するのも初めてだから、正直楽しみではあった。
でもさ、まさかだよ?
当日、潤さんが用意してくれた服を見て、僕は一瞬その場から逃げ出してしまおうかと思ったくらい驚いたし、実際抵抗だってした。
けど、潤さんには適わなかった。