第5章 5

翔くんと離れてから、あっという間に一年の月日が流れた。

その間、僕にも色々…って程でもないけど、それなりに変化があって…

事故で父ちゃんを亡くし、一人になった母ちゃんを少しでも安心させたくて、僕はバイト生活から足を洗って、就職をした。

就職先は、以前からニノと良く行っていたラーメン店。

そう、相葉さんの店だ。

丁度相葉さんの店が従業員を募集していたのと、僕が就職先を探していたタイミングが、上手いぐらいバッチリ合った、ってのが一番の理由ではあるけど、美味しラーメンが無料で食べられるのも、僕にとっては都合が良かった。


それに…
忙しくしてる時間は、色んなこと忘れられるから…


ニノとの関係は相変わらずで、休みの前日はニノのアパートに泊まっては朝まで飲んだり…

在宅で仕事をすることが殆どのニノには、邪魔者扱いされることも多かったけど、文句を言いながらも、ニノは僕を拒むことは決して無かった。

たまに発動するニノの意地悪だけは、正直辞めて欲しいんだけどね。

それから、もう一つ…

もしかしたら、僕の中では一番大きな変化なのかもしれないけど… 新しいお友達が出来た。

まあ、この歳になって〝お友達〟ってのも変な話かもしれないけど…