• テキストサイズ

十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】

第11章 11


僕はいつも通り、同じ場所にキッチンカーを出しながら、ある計画を立てた。

って言っても、そんな大袈裟なもんじゃなくて、単純に僕が休憩に入る〝フリ〟をすれば良い、ってだけのことなんだけどさ。

ジェシーの話によれば、その人が現れるのは、決まって僕が休憩に入るタイミングだって言うし、だったら僕が起きてれば良いだけじゃん、って思って。

僕にしては名案じゃないか…って思ったんだけどさ、現実はそう甘くない…ってゆうか、簡単じゃないってゆうか…

頑張って起きてるつもりだったのに、いつの間にか眠ってしまった僕は、ジェシーに揺り起こされ…

飛び起きて慌てて外を見回したけど、もうその人の姿はどこにもなくて…

「殴ってでも起こしてくれれば良かったのに…」ってジェシーに文句を言ったけど、出来るわけないよね。

だってジェシー、見かけ反して優しいもん。

「ねぇ、その人の特徴とかないの?」
「特徴…髪黒い。あとは…男でしょ? それから…」
「わ、分かった、もう良いよ、ありがと」

これ以上聞いたところで、特定するだけの材料にはならないと判断した僕は、丁度焼きあがったパンをケースに並べた。

「あ、そうだ…。ネックレス…。どっかで見たことある」
「ネックレス…?」

僕の中で、その一言が何故だか凄く引っかかった。
/ 279ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp