十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第10章 10
ニノに求められるまま身体を重ねてから一週間…
ニノから、正式に雅紀さんと付き合うことになったって連絡を貰った。
まあ実際はさ、「しつこいし、泣いて頼むから、しょうがなく」って言ってたけどさ、それもニノならでは…とゆうか、照れ隠しの一つなんだと、僕は思った。
だってニノの顔、今まで見たことないくらい幸せそうだったし、それにこんなこと言ったらニノは怒るかもしれないけど、滅茶苦茶可愛かったんだ。
僕の前で見せた〝The・男〟とはまるで違うんだもん。
嬉しい半面、ちょっとだけ笑っちゃった。
で、僕はというと…
ずっと…小さい頃からの夢を叶えるために、僕はある決意をした。
そしてその決意を伝えるため、僕は雅紀さんの店に向かっているわけで…
でもその足が、なんとなく…だけど、重たかったりする。
分かってるんだよ?
雅紀さんなら、ちゃんと僕の気持ちも理解してくれるし、きっと背中だって押してくれるって、ちゃんと分かってるんだけどさ…
でもこうして足が重たく感じるのは、どこかで申し訳なさがあるからなんだと思う。
僕なんかを、従業員として雇ってくれたこともそうだし、それに潤さんとのことだって…
僕は店の暖簾を前に、小さな溜息を一つ落としてから、深く息を吸い込んだ。