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十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】

第8章 8


翔くんのネックレス。

それが何故、父ちゃんのお墓に落ちていたのか…

あの日から何日か経っても、未だに分からずにいる。

だって日本にいる筈のない翔くんが、あの場所に来ることは考えられない。

それに、仮に父ちゃんが死んだことをどこかから伝え聞いたとして、お墓のある場所までは知らない筈。

なのに翔くんのネックレスが落ちてるのは、正直謎でしかない。

ひょっとして一時帰国…なんてことも考えてはみたけど、それを聞けるような相手も僕にはいない。


ニノとも、何度か連絡はしてるけど、返事が返ってくることもなく、あれっきりだし…


机の引き出しにしまったネックレスを思い出す度に、悶々とした気分になる日々を過ごしていた。

勿論、雅紀さんとこの仕事は続けてるし、それなりに忙しくはしてるけだ、暇な時間が出来るとどうしても、不意に頭を過ぎってしまう。

僕は雅紀さんから言い付けられたスープの番をしながら、ネックレスが何故あの場所にあったのか、その理由を考え続けた。

でも結局堂々巡りとゆうか…答えは出ずで…

ただ、一つだけハッキリと分かったこともあった。

それは、僕たちの関係が〝本格的に終わった〟ってこと。


だって翔くんは、元彼との思い出が詰まった物を、いつまでも大事に取っておくような人じゃないから…
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