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十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】

第7章 7


潤さんとの関係は、一見すれば…っていうか、傍から見れば順調に進んでいるかのように見えた。

でも実際はそうでもなくて。

何度も身体を重ねた僕達だけど、徐々に…というか、身体を重ねれば重ねる程、僕達の間に出来た溝は広く深くなって行くような気がして…

ある日を境に潤さんは僕を抱かなくなった。

疲れてるからとか、仕事が忙しいからとか、最初は何かと理由付けてたけど、そのうち言い訳すらしてくれなくなって…

会えない日は、必ずくれてた電話もLINEもなくなって…

いよいよ終わりかなって思い始めた頃、潤さんに言われたんだ、ハッキリと。

「お前は俺に抱かれながら、誰のことを思っていた?」って。

返す言葉なんて、これっぽっちも出てきやしなかった。

だって潤さんが言ってること、全部事実なんだもん。
なのに言い訳なんて、出来る筈ない。

僕は黙って俯くことしか出来なくて…

そしたら潤さんは、引き出しから小さな紙袋を出して、それをテーブルに投げつけ、黙って部屋を出て行ってしまった。

一人残された部屋で、涙一つも流せず、僕は膝を抱えた。


悪いのは僕だ。
潤さんの優しさに甘え過ぎてた僕が悪いんだ。

僕は潤さんを裏切った。

好きだと口では言いながら、心では別の人を思ってるなんて…

僕、最低だ…
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