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【R18】共依存【黒尾鉄朗】

第1章 出会い



女の子が席に着いたところで、スタッフがやって来た。
「本日はご来店誠に有難うございます。」テキパキとコース料理や飲み放題の説明をして注文用のタブレットを置いていった。
「あいつ遅いな」
「もう1人の男の子?連絡してみたら?」
と提案された友人が携帯を開くと「あ、メッセージ入ってる」
返事を打ってから「遅れるから先始めててだって!ごめんね、マイペースな奴だから許してあげて!」
なんていい人ぶる友人を白い目で見る。
俺がこいつとの約束に5分でも遅れようものなら、しばらくは時間にルーズだな!なんて言われ続けるのに。
「じゃ、時間もったいないし先始めちゃおうか!みんな何飲む?」
「俺ビール!」
「あ、私もビールお願いします。」
「俺も」
「私カシオレがいいなぁ」
「ビール3とカシオレね!私レモンサワーにしよ」ショートの子がまとめて注文するためにタッチパネルを操作する。
少ししてビールとカシオレ、レモンサワーが届いて自己紹介の運びとなった。
背の高い子はさんというらしい、あまり自分から話すタイプではないが友達の話しに相槌を打ったりくすくすと口元を隠して笑ったり聞き上手なようだ。
姿勢がいいなとか、箸の持ち方が綺麗だとか、なんとなく見入ってしまう。
最初に一度だけドリンクを注文してくれた子とは違って、適切なタイミングで「次何飲みますか?」と注文を率先してくれたり、空いた皿を通路側へまとめたりグラスからしたたる水滴を気にし始めた頃に紙ナプキンを渡してくれる。

飲み放題開始から40分ほど経ってもう1人の男子が遅れて登場した。
「いやーいきなり仕事入っちゃって!ごめんごめん!」
「遅せーぞ早く座れ!!ビールでいいかー?」
「ねぇ、せっかくだし席替えしようよ!私今来たお兄さんの隣がいい」
「え!じゃあ俺そっち行くわ」
盛り上がる4人に俺とさんは若干置いてかれ気味で「そこ場所変わって」と言われてしまえば、断ることもできず「どーぞ」と席を譲る。
さりげなくさんの隣に陣取って今来た男のビールと自分のドリンクを選んで「なんかいる?」と隣を見れば顔を赤らめたさんがはっとして「あ、ま、まだ、だいじょぶです。」と俯く。
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