第6章 Epistle to the Romans 5:12
風呂が終わると、また翔に肩を借りてベッドルームに戻った。
バスローブなんて初めて着たけど、モコモコして汗も吸うし着心地がよかった。
今度、俺の家にも買おう。
金ならたくさんある。
なんで今まで使わなかったんだろう。
「ふう…」
ベッドに座ると一気に体の力が抜けた。
体を洗ってもらって足だけ湯に浸かっただけなんだが、それでも体力を大量に使ってしまったようだ。
すぐにでも横になって、ぐっすり眠りたい。
「どう?智、大丈夫?」
翔は自分の手足をタオルで拭いてる。
短パンから出ているそれは、白い。
スポーツもやったことのなさそうな細さだった。
「ああ。さっぱりした」
翔を見上げ、礼を言った。
「ありがとうな」
なんにも考えず、翔に向かって手を伸ばした。
翔はちょっとだけ躊躇して、タオルを片手に持ったままその手を取った。
「…どうしたの…?」
「ああ…ただ、感謝の気持ちを伝えたかったんだ」
「そう…?」
だるくて、目が開けていられなかった。
「智、寝るならパジャマ着ようよ」
「ああ…」
「今日の夜は冷えるって言うから。厚手のスエットでいい?」
なんでも、いい。
おまえんちの服、なんでもいい匂いがするから。
なんでもいい。
「智…?ねえ。智…」
ああ…
「寝ちゃったの…?」
そうだな。
気持ちいいんだ。
体がふわふわして
力が入らない
「もお…服着せるの大変なんだからね…?」
すまない
でも
このまま…どうか…