第4章 Proverbs 28:13
「もう…これだから女ってよう……ゲ……」
ふと見たら、校門のとこに大っ嫌いな生徒指導の主任教師が居た。
女子にはセクハラ教師として有名で、男子にはクソ厳しいエコヒイキ野郎で有名だった。
その日俺も、制服のネクタイを家に忘れてきてた。
…ホントは姉ちゃんのことは言えなかった。
「うわー…これ、何言われっか…」
普通の教師は忘れたと言えば見逃してくれるのに、あの生徒指導の教師に見つかったら放課後まで時間が削られる。
周囲を見ると、踵を返している奴らが何人もいた。
やっぱあいつと朝から顔合わせるのは、嫌なんだ。
「…やっぱ今日は、サボろ…」
出席日数は、計算してた。
まだ大丈夫なはず。
それからゆっくり駅まで戻って、バスで家の近くまで戻った。
まだ会社の人がいるかもしれないから、合鍵でこっそり家に入って部屋で寝ていようと思った。
それが…
あんなことになるなんて
遠くでサイレンの音が幾重にも折り重なって聞こえる。
「なんだこの焦げ臭いの…」
腕で口元を覆って真上を見上げると、天井に薄っすらと煙が漂ってるのが見えた。
「えっ…!?」
嘘だろ!?火事!?
父さんは?母さんは?
ああ…姉ちゃんは、学校なんだよな!?