第4章 Proverbs 28:13
だいたいなんで今日は、家族が全員朝っぱらから俺の部屋に来たんだ。
いつもは母さんくらいしか入ってこないのに……
「むにゃむにゃ…出ていけください」
「あらまあ。寝言まで反抗期ですよ、お父さん」
「そうだなあ、母さん」
ミシっとまたマットレスが音を立てて、父さんが体勢を変えたようだった。
「…智、今日な学校行ってほしいんだ。もちろん体調が悪くないんならな」
「……は?」
「実は今日な、会社の人が家に来てちょっと話をしていくんだ」
「ええ?またかよ…そんなの会社でやればいいじゃんよ…」
「どうもだめでな。個人的な相談なんだ」
「そんな平日になんでさぁ…」
「さあなあ。わからないんだが、とにかく父さんと母さんは午前中は休みにして、会社の人と会うから…だから智…」
「……わかったよ」
またミシっと音がして、ポンポンと俺の頭を撫でる大きな手。
「すまんなあ。今日は苦手科目の授業でもあるのか?」
「んなわけねえだろ」
「じゃあただ眠かっただけか…」
「そうですよ、あなた。だって智は成長期の男子ですもの!」
「ああ!そうか!思春期の男子だったな!」
…オイ。本人の前でそんな話する?
「あらっ…お父さん!私達、本人の前で…」
「ああ、こりゃ参ったなあ…」
参ったなあじゃないぞ!
うっかりさんか!