第20章 Romans5:3-4
次の日の朝。
起きてすぐ集合ポストまで行くと、なかに封筒が入ってた。
「なんだこりゃ…」
鍵がどうの言ってたのに、ぺらっぺらじゃねえか。
爺さん耄碌したのか、鍵を入れ忘れてら。
部屋に戻って早速封筒を開けたら、メモ紙と薄型のカードが出てきた。
「ん…?」
最初は意味がわからなかったが、どうやらカードキーのようだった。
「ちょっと…待てよ」
爺さん面白がってとんでもない物件を寄越したんじゃないだろうな?
でも、冷静に考えたら。
翔の住んでるマンションの周辺の物件って言ったら、いくら安い賃貸でもカードキーを使ってるくらいのものになるのかもしれない。
だってあそこは、日本で一番地価が高い一帯なんだろうから。
ぺらりと入っていたメモ紙を見る。
まさに住所は翔の家の近所みたいだった。
地番まで一緒な気がする。
しかも部屋番号を見ると、高層マンションのようだった。
「……」
慌ててスマホを取って、地図アプリを開いた。
書かれているメモの住所を打ち込んだ。
「オイ…爺さん…」
その住所は、翔の部屋がある都心の高層マンションのものだった。
「マジか」
しかもその部屋番号は…
翔の隣の部屋だった。