第18章 Genesis1:1-5
数日を、西島の家で過ごした。
西島もなにか大きい仕事のあとで休みだったようで、ほとんどの時間を家で過ごしていた。
以前一緒に暮らしていた頃と変わらない、ゆったりとした時間が流れた。
前と変わったことと言えば、俺の治療の時間がなくなったことだ。
最初はいろいろと質問されたりしたが、悪夢以外は問題ないという判断になったようで、睡眠薬を出されてぐっすり寝ることを宿題にされた。
ついこの前まで外国の安宿で、硬いベッドに苦しんでいたのに。
西島の家はとても過ごしやすかった。
のんびりしているうちに、なにもかも忘れてしまいそうになるくらい…
疲れも癒えて、朝もすっきりと起きることができるようになる頃、西島の家での『治療』は終わった。
「明日くらいには迎えに来てもらえよ」
「…いいよ。俺んちまで電車でも帰れるから」
「まあそう言うなよ。会いたいってよ、相葉さんが」
「雅紀が…?」
もう次の仕事の依頼が来てるんだろうか。
「違うよ…」
「え?」
「仕事じゃなくって、智が無事かどうか確認したいんだって」
「ええ…?」
「心配してるんだからな?あの人」
「まあ、知ってるけど…」
それでも、あまりよくわからないのは…
和也は息子みたいに思ってるっていうのはわかるけど、俺は一体雅紀にとってなんなんだろう?
どうして、ここまで気にかけてくれるんだろう。