第18章 Genesis1:1-5
確かに、和也はたまにめんどくさい。
昔はそれを受け入れていたけど、今はどうしても受け入れられないこともある。
「…それはいい傾向なの?」
「ああ。何でもかんでも受け入れてるやつなんか、気持ち悪いだろ?」
「まあ…」
ということは、以前の俺はなんでもかんでも受け入れる気持ち悪い奴だったってことになるが…
「あ、気づいた?」
「アンタなあ…」
また西島は笑いを堪えるように下を向いた。
「い…今のほうが、楽だろ?」
「あん?」
笑いをこらえながら、なんとか俺のこと見たけど、またすぐ俯いてしまった。
肩がプルプルと震えている。
「笑ってんじゃねえぞ…コノヤロ…」
ヒーヒー言うまで笑って、やっと西島は静かになった。
こいつこんなに笑い上戸だったっけか?
「あー、喉乾いた」
いつの間にか西島のコップが空になってた。
瓶ビールを取ってコップに注いでやると、それを一気に飲み干した。
「ああ、うめえ」
「良かったな」
半ば呆れながら、自分のコップにもビールを注いだ。
「それでいいんだって」
「え?」
「そのほうが人間くさい」
「人間くさい…?」
「人間らしいっつってんだよ」
「…そう?」