第18章 Genesis1:1-5
「……した、覚えはないんだけど」
「相葉さんからは、また魘されてるって聞いた」
ソファに置いていた荷物をどけると、俺に座るように手で示した。
疲れていたから体を投げ出すように座ると、一気に眠気が襲ってきた。
「なんだよ…また和也かよ…」
多分、仕事でしばらく一緒の部屋で暮らしている間、何度か魘されたんだろう。
そういえば、帰国したら西島の家に行くっていう事を問い詰められることがなかった。
いつもはうるさいくらい俺の行動の理由を聞いてくるのに。
「それだけ、おまえのことが心配なんだろ」
西島の手が伸びてきて、俺のジャケットに手をかけた。
「寝るなら着替えろよ」
「わかってるよ…」
伸びてきた手が服を脱がしていても、目が閉じていって開かない。
「自分でする…」
「もう目が開いてないじゃないか。寝ろよ」
その声が聞こえてから後の記憶がない。
次に目が覚めたら、夜になっていた。
いつの間に移動したのか、ベッドで寝ていた。
服もパジャマに着替えさせられてる。
「どんだけ寝たんだよ…」
確か、早朝に帰国したから10時間ほど寝てしまったのか。
飛行機の中であまり眠れなかったから、時差ボケでもないのに寝てしまった。
ぼけっとベッドの上で起き上がっていたら、西島が部屋に入ってきた。
手には畳んだ服を持っているから、洗濯でもしていたんだろう。
「なんだ。起きてたのか」
「うん…」
「飯、適当に作ってあるからこいよ」