第18章 Genesis1:1-5
すぐに車に戻って雅紀に連絡した。
泊まっていたホテルに直行しチェックアウトすると、その間に雅紀が手配してくれた日本行きの飛行機に飛び乗るため空港に向かった。
「ふぅ…やっと終わったね」
「ああ」
やっとの思いで乗り込んだ、現地発深夜の飛行機の中はガラ空きで。
上空に出てシートベルトのサインが消えた機内はとても静かだった。
東京に朝一で着ける飛行機だから、もう少し混んでいてもいいようなものなのに。
なんでだろうとぼんやりと考えていたら、フィリピンあたりの火山が爆発したというニュースを正面のモニターに映していた。
和也がCAに聞いたらこの飛行機には影響はないということだが、トランジットの関係でこんなに人が少ないようだった。
「まあ不幸中の幸いというか…」
「あんまり顔を覚えられないようにしないとな」
「…白人なんて、黄色人種の顔の見分けなんてつかないよ」
和也はなにか嫌な思い出でもあるのか、白人CAの方を見て嫌な顔をした。
「きっと今日のあいつだってそうだったんだ」
「おい、和也」
「誰も聞いてないよ」
「やめろ」
「じゃなきゃ日本であんな依頼…」
「いい加減にしろ」
「…はぁい…」